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5分でわかるトレンドワード 「ダイナミックプライシング」

要約
●価格がどんどん変わるダイナミックプライシング
●ダイナミックプライシングのメリット
●AIなどの技術が背景に
●あらゆる業界に価格変動の波


■価格がどんどん変わるダイナミックプライシング

この物価高の時代、価格には皆さん敏感になられていると思います。「価格」は簡単には変わらないもの、コロコロ変わっては困るもの、というイメージはまだ強いのではないでしょうか。

しかし、この数年、季節や時期によって価格が顕著に上下する例を目にする機会が増えてきました。例えばホテルの宿泊費、航空機のチケット代、遊園地の入場料などがそうです。「こんなに高いのか」と思う時期もあれば、非常にお得な価格で提供される時期もあります。季節や時期によって価格が上下する例は昔からありましたが、近頃は価格変動の頻度が増えていく傾向にあります。

これは『ダイナミックプライシング(変動価格制)』といって、商品やサービスの価格を需要や供給の変動に応じて自動的に調整する価格設定戦略を取っている企業が増えているからです。

■ダイナミックプライシングのメリット

ダイナミックプライシングが導入される背景には以下の提供側・ユーザー側のメリットがあります。

●提供側のメリット
・混雑の緩和(需要の分散・平準化)
・利益の拡大

●ユーザー側のメリット
・お得に商品やサービスが入手可能
・手に入りにくい商品やサービスが入手可能
・購買意欲や満足度の向上

ホテル業界や航空業界を例に取ると、ホリデーシーズンのような繁忙期には料金を高く設定し、逆にオフシーズンには価格を低く設定して普段利用しない人を呼び込むことで、需要を分散させるとともに収益性を最大化することが可能になります。また、コロナ禍によって「密」が避けられるようになったことも、ダイナミックプライシング導入・普及の追い風になりました。

■AIなどの技術が背景に

似た例として、昔から行われているスーパーのお惣菜の値引きがあります。値引きシールで時間に応じて価格を変更し、閉店間際には半額にするなどして売り切ります。これもダイナミックプライシングの1種とも言えますが、スタッフの経験や勘に頼ることになり、人手での再値付け作業の手間や時間が負担となります。

そこで近年のダイナミックプライシングでは、データに基づく変動価格システムに移行が進んでいます。AIによる機械学習によってリアルタイムで需要予測や顧客の行動に合わせて価格を変更することで、自動的に最適な価格を設定し、利益を最大化しようとする手法です。こうしたことが可能になった背景には、IoTやAIなどによるビッグデータ収集や分析が可能になったことで、季節、天候、過去の販売実績、需給予測、あるいはパーソナライズされた購入者の属性などさまざまなデータに基づいて高精度な予測に基づく価格設定が可能になったことが挙げられます。

このようにAIを使って需要変動を予測し、需要が減って従来の価格では十分な数が売れないとAIが判断すると、価格の引き下げを推奨。販売数を増やして収益を最大化します。

■あらゆる業界に価格変動の波

交通におけるダイナミックプライシング導入の例としては、高速バスがあります。もともと2012年に実施された国土交通省の規制緩和によって運行便ごとに運賃を設定できるようになっていましたが、ここに来て人手不足や市場回復の遅れなどからダイナミックプライシングを導入する高速バス会社が急増しており、過去実績、競合運賃、イベント予定、予約状況といった、それぞれの便の需要の大小から、日ごとあるいは便単位で運賃が変わるようになっています。

ダイナミックプライシングは主に航空会社、ホテル業界での導入が先行していましたが、最近では旅行、オンライン販売、コンビニやスーパーなどの流通小売業、物流、エンターテインメント業界でも広く利用されています。

最近のトピックスとしては、JR東日本でのダイナミックプライシング導入も大きなニュースとなりました。鉄道運賃にダイナミックプライシングの導入を検討する基本計画を国が閣議決定し、2023年の春から混雑を緩和するため平日朝のラッシュ時を避けると通勤定期券が割安になる「オフピーク定期券」を導入しています。またタクシーの運賃も2023年5月からダイナミックプライシングが認可され、需要の少ない時間帯には運賃を下げ、雨の日や週末の夜などは、運賃を上げるなど、需要に応じて料金を変える仕組みが導入されています。この他、自販機にも需要予測に応じてダイナミックプライシングを導入する動きがあり、これからはあらゆる業界で「価格は日ごとに変動するもの」というのが常識になっていきそうです。

 

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