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5分でわかるトレンドワード 「量子暗号通信」

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量子暗号通信が必要とされる背景

さまざまなITサービスが私たちの暮らしに浸透し、便利になっていく一方で、セキュリティの重要度も増しています。情報の安全性を維持するうえで、暗号化技術は基本となるものですが、近年のコンピューティングパワーやAI性能の向上により解読のリスクが高まっています。この問題に対処するため、近年量子暗号通信が注目され、いよいよ実用化が迫っています。

量子暗号通信とは何か、その優位点は

量子暗号通信は、量子 (多くの場合は光子が使われます)を使用して通信を行う量子通信技術と、量子の不確定性などの性質を利用して通信データを保護する量子暗号技術が組み合わさったものです。通信の盗聴やデータの解読を未然に防ぎ、情報のセキュリティを確保します。

総務省 平成27年版情報通信白書によれば、ワンタイムパッド暗号化と量子鍵配送(QKD)を組み合わせることで、将来現れるどんな計算機でも解読不能な暗号技術を実現するとされています。

※出典:総務省 平成27年版情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc387620.html

これまでさまざまな暗号技術が登場し、新たな解読技術とのいたちごっこが続いてきました。
量子暗号通信が従来の暗号技術と比較して優れているとされるのは以下の点です。

●量子(光子)の性質として、観測されると状態が変化するというものがあります。そのため通信データを途中で傍受しようとすると、量子状態が変化してしまうため、通信の盗聴が分かります。
●従来の暗号化方法は量子コンピュータによって破られる可能性がありますが、量子暗号通信で使われるワンタイムパッド暗号は、一般に解読不可能とされているものです。そのため攻撃に耐性を持ち、より長期にわたるセキュリティが実現されます。

さまざまな分野での取り組みとその将来

総務省の令和4年版の情報通信白書によれば、「量子技術は、将来の社会・経済を飛躍的・非連続的に発展させる革新技術であるとともに、経済安全保障上も極めて重要な技術」と位置づけられており、政府全体として研究開発の強化や事業化に向けた活動支援を行うとともに、基礎研究から技術実証、人材育成などに至るまで産学官で一気通貫に取り組む拠点形成などのイノベーション創出に向けた基盤的取組を推進することとしています。

グローバル規模の量子暗号通信網のイメージ

※出典:総務省 令和4年版 情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd247320.html
【関連データ】グローバル規模の量子暗号通信網のイメージ(データ集)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf407000.html

高度なセキリュティを持つ量子暗号化通信は、政府、金融分野、医療分野といった特に高度なセキュリティが求められる分野で実証実験や試験運用が始まっています。
量子(光子)を使用するため、通信距離や通信速度が課題とされていましたが、それを改善する新しい技術が登場しており急速に改善されつつあります。
量子暗号通信は、未来のセキュアな通信手段として注目を集めています。量子力学の特性を活用し、通信の秘匿性とセキュリティを確保することで、デジタル社会の発展をより安全なものにする一翼を担っています。

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