
要約
●フォーミュラEは電気自動車の国際レース
●年々緩和される車両の開発自由度により、電気自動車PRの格好の場に
●世界の主要自動車メーカーが、続々参戦
●次シーズンからは日本メーカーも参戦!技術スポンサーも
●日本での開催も期待 自動車産業の未来が見えてくる
■フォーミュラEは電気自動車の国際レース
フォーミュラEは、電気自動車の普及促進を目的に、2014年から9月から開催されている電気自動車の国際レースです。別名「電気で走るF1」とも呼ばれています。
レースは世界各地の市街地の公道をサーキットにして行われます。
毎年秋に開幕し、年間10戦程度が行なわれます。次のシーズンは2018年12月から2019年にかけて開催され、中東、南米、アジア、欧州、北米を転戦し全13戦になる予定です。
フォーミュラEは年々人気が高まっていますが、近年、世界中の自動車メーカーのワークス参戦(企業チームとして参戦すること)が相次いでいることで、レース愛好家以外からも大きな注目を集めています。
■年々緩和される車両の開発自由度により、電気自動車PRの格好の場に
ワークス参戦が増加している理由のひとつに、マシン開発の自由度が高まったことが挙げられます。
開催当初、レーシングカーは、シャーシ、ボディ、モーター、バッテリ、タイヤなどすべて同じ車両を使用することになっていましたが、徐々にマシンの改良や独自製造の自由度が高まっていきました。
2017/18年シーズンでは、パワートレイン(モーター、インバータ、ギヤボックス)などの独自開発が認められるようになっています。
2018/19年シーズンの最大のレギュレーション変更はバッテリ容量の増加です。マシンはワンレースを走りきれるだけの十分なバッテリ容量でレースをすることができるようになります。
世界各国の厳しい環境規制によってEV化・電動化へのシフトがダイナミックに進むなか、自動車メーカーにとって、フォーミュラEは自社の電気自動車の格好のPRの場となっているのです。
■自動車メーカーが相次ぎ正式参戦
2017/18年シーズンまでに、ルノー、アウディ、ジャガー、シトロエン、インドのマヒンドラ&マヒンドラなど、多くの自動車メーカーが電気自動車の技術開発を見すえてメーカーとしてワークス参戦しています。
さらに今後数年内で、BMW、メルセデス、ポルシェの参戦が相次いで決定しているなど、国際競争さながらの様相を呈しています。
■日本企業も続々
ではEVや電動化で世界をリードする日本のメーカーは?というと、もちろん手をこまねいているわけではありません。
自動車メーカーとしては、電気自動車リーフを展開する日産が、2018/19年の第5シーズンからワークス参戦することが決まっています。
この他にも、日本の車載部品のサプライヤーとして、半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスがインドのマヒンドラチームと技術提携。同じく半導体メーカーのロームが、ベンチュリーチームに半導体を提供するなど、技術や製品の供与で日本の車載部品メーカーが活躍中です。またパナソニックもジャガーチームメインのスポンサーになっています。
今後も日本のメーカーとの関わりはどんどん深くなっていきそうです。
■日本での開催の可能性は?
世界から大きな注目を集めるフォーミュラEですが、いまだ日本では開催されたことがありません。
最大の障壁は、フォーミュラEのコンセプトが、都市圏の市街地中心部で行うレースである、ということです。日本ではデモンストレーション走行を除くと、市街地でレースが開かれた実績はほぼありません。
とはいえ、これまでパリ、ローマ、ベルリン、ニューヨーク、北京など、世界に名だたる大都市市街地で開催されている実績をふまえれば、EV・電動車へのシフトを急速に進める日本でも開催の可能性は大いにありそうです。
このように、フォーミュラEを通じて、自動車産業や自動車社会の今と未来が見えてきます。今後もフォーミュラE関連のニュースには注目です。
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