組込みとIoT技術の展示会「ET & IoT Technology 2018」は11月14日(水)〜16日(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催されました。
今回のテーマは「ET(エンベデッドテクノロジー)×ET(エッジテクノロジー)によって実現するスマートな社会」。
エッジテクノロジーとは、エッジ側--つまり端末側に処理機能を組み込むことで、クラウド側の負担やデータ通信の遅延を回避しようというテクノロジーです。
新しいET&IoT展は、このエッジテクノロジーにいちはやくフォーカスし、その最先端情報を一望できる「アジア最大規模のエッジテクノロジー総合技術展」へと様変わりしていく、とのことです。
会場に入ると、この展示会を主催する組込みシステム技術協会のマスコット、クミコ・ミライがお出迎え。
マイクロソフトのブースにやってきました。
「Azureエッジ」と銘打ち、クラウドプラットフォームであるMicrosoft AzureとIoTの連携をアピールしていました。
パートナー企業によるAzureエッジの対応機器がずらりと並んでいて壮観でした。
ルネサスイーストンのブース。
ルネサス系の半導体商社のイメージが強い同社ですが、今回は自社開発のSTREALという名前の超小型ひずみセンサを強力にプッシュしていました。
アームのブースも例年通り賑やかです。
アームに限らずパビリオン型のブースが多いので、出展している企業や団体は公式に発表されている数よりもはるかに多いのではないでしょうか。
インテルのブースです。パートナー企業による、インテルのデバイスやボードを使った多様なソリューションを展示していました。
インテルFPGA(旧アルテラ)を、使った画像認識のデモ。低価格FPGA上でもAIが動作することを実証していました。
インテルに限らず、展示会全体でもFPGAによるAIデモは目立っていました。CPU、SoC、マイコンをおさえて、エッジコンピューティングの主役はFPGAになりそうな勢いでした。
富士ソフトのブースです。
エンタープライズ系、基幹系開発に強い企業の印象ですが、組込みの受託開発でも大手です。
こちらもFPGAを使ったさまざまなソリューションを展示。
FPGAをアクセラレータに使った高速・高画質なコンテンツ配信サーバー。
そして、FPGAを使ったAIによる距離測定と画像の認識デモです。
オン・セミコンダクターのブースでは、スイッチを押す力で発電して通信するBluetooth ®5.0モジュールをデモしていました。IoT機器のバッテリーは大きな課題ですので、電源やバッテリー管理に強いオン・セミコンダクターらしいソリューションと言えるでしょう。
ロームのブースは、例年通り関連会社ラピスセミコンダクタと共同出展。
電源、マイコン、センサ、通信、産業など多様なIoT関連の技術を展示していました。
ワイヤレス給電用の超小型LSIのデモは、スタイラスペン先での充電を披露。スマホ用などで普及してきたワイヤレス給電ですが、今後いろいろな超小型機器に搭載される可能性を感じさせてくれました。
この他にもBluetooth ®5.0やLPWAといったIoTを支える通信にも強いことをアピールしていました。
通信といえば、今回IoT用の通信規格がいくつか登場しアピールしていました。
これはLPWAのひとつZETAアライアンスのブース。 産まれたばかりの通信規格だそうです。
こちらはソニー発のLPWA通信規格「ELTRES(エルトレス)」のブース。こちらも国際標準規格として公開されたばかりです。
IoTの足回り、ラストワンマイルの通信は、Bluetooth ®5.0、SIGFOX、LoRaWAN、5Gなど、さまざまな規格が出揃ってきました。どれが主流になるのか目が離せません。
電子部品通販の雄、チップワンストップとマウザーも出展していました。
エネルギーハーベスティング(環境発電)のコンソーシアムのコーナー。IoT機器(エッジデバイス)のバッテリーフリーを実現するために、熱、振動、光などさまざまなエネルギーを電気に変える製品を各社が紹介していました。
こちらはベンチャー企業のコーナー。
この中から次代の先端企業が生れてくるかもしれません。
スタートアップ企業のコーナーです。ベンチャー企業と比べると、こちらはMakeに近い印象です。
あと賑わっていたのがこちら。
釣りゲームに見立てたフィードバック技術のアピールです。
センサで人の動作を検知するだけでなく、手に持った釣り竿にリアルな反応を返していくフィードバック技術もIoTやUIに大切な要素です。
今年は「組込み・IoT・エッジ」にテーマを絞ったことで、展示会の内容がシンプルでわかりやすくなりました。「アジア最大規模のエッジテクノロジー総合技術展」として、来年以降もさらに賑やかになっていきそうでした。
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