
「オートモーティブ ワールド クルマの先端技術展」が、2019年1月16日(水)から18日(金)の3日間、東京有明の国際展示場(東京ビッグサイト)で開催されました。
今回はその後編をお届けします。
コネクティッド・カー EXPOのゾーンにやってきました。
NTTドコモのブースでは、2020年に商用サービスが始まる5Gのコネクティッド・カーや自動運転への活用例を数多く提案していました。
目についたのは、車載用5Gガラスアンテナ。
ガラスをベースにした「見えないアンテナ」だそうです。車のデザインを損なわずに5Gアンテナを搭載することができます。
車のガラス上に展示してあったのですが、透明なため「どれだ、どこにあるんだろう」と来場者が目を近づけて見ているのが印象的でした。ビルの窓をアンテナ化する用途も考えられているそうです。
この他にも日産GT-Rをベースにした実験車両を展示し、時速300キロメートルでの 5G無線通信に成功した実験映像を流していました。
ベクター・ジャパンのブースでは、さまざまな開発・テストツールを展示していました。
IoTやM2Mのテクノロジー企業、アプトポッド。
車両のさまざまな動作や環境データをリアルタイムに同時収集し、結果を可視化して解析するダッシュボードツールを展示していました。
ツールとしての性能は門外漢の筆者にはよく分かりませんが、未来の自動車のメータクラスタを思わせるUIのデザインセンスの良さが光っていました。
スタンレー電気のブース。
ヘッドライト用や内装用のLEDを豊富に展示。それだけにとどまらず、光を用いた消臭やスマートルームミラーといった応用製品も展示していました。
なかでも「ストレスフリーHMI」は空間に虚像のスイッチを映し出し、それを操作すると超音波による空気振動で操作した触感を与えてくれるというもの。得意のライティングをベースに新たな分野に挑戦していこうとする意欲が見てとれました。
奥の東7、8ホールには、クルマの軽量化、自動車部品&加工、自動運転をテーマにしたゾーンが展開していました。
キーエンスのブースでは、製造工程で使われる測定器やセンサを展示していました。
ブースの正面では測定器をステージに持ち込み、実際に部品を測定しながら性能の高さをアピールしていました。
クルマの軽量化をテーマにしたゾーンの主役はやはり新素材。軽量化鋼板はもちろん、アルミ、樹脂などが、次世代材料をアピールしていました。
なかでも力が入っていたのが化学材料メーカーのブース。
積水化成品工業は、ホンダS660の外装を換装したホンダ純正のカスタムボディ・キット「ホンダS660 NEO Classic」を展示。
このボディパーツに同社のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が採用されているそうです。オリジナルのS660とはまた違ったクラシックで美しいボディデザインで来場者の注目を集めていました。
東洋紡のブースでもスタイリッシュなコンセプトカーが目を引きました。
同社の所有する多くの新素材、材料技術を結集したコンセプトカーです。
下の画像のようにタイヤ、ホイール、ドアをはじめ外装・内装のいろいろな部分に東洋紡の技術が使用されているそうです。
やはりフルサイズのコンセプトカーがあると注目度と説得力が違います。
こちらは自動運転のゾーンのセンスタイムという中国の企業。
ディープラーニングを用いた顔/動体認識のテクノジーを得意にしており、大ブームになった自撮りカメラアプリ「SNOW」にも採用されています。
今は車載やFAの分野に注力しているそうです。
デモではカメラのドライバー画像から、視線の向き、感情や体調を分析。さらにドライバーのジェスチャーを認識して操作するデモを行っていました。
半導体商社、岡谷エレクトロニクスのブースでは車載カメラや赤外線センサなど、取扱商品を組み合わせた自動停止システムをデモしていました。
かけ足での紹介となりましたが、本展示会を振り返ってみて、この世の中のあらゆる先端技術が自動車のなかに取り込まれていくような印象を受けました。
自動運転、通信、AI、エネルギー、サービスとしての自動車など、自動車のあり方自体が大きく様変わりしようとしています。そのため次期自動車開発のトレンドは非常に多岐に亘っており、これまでは関係のなかった異業種との協働を含めて、巨大な自動車産業の裾野は今後さらに広がり続けていくことを予感させてくれました。
>> オートモーティブ ワールド 2019に行ってきました!(前編)
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