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5分でわかるトレンドワード 光電融合

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要約

●AIの急速な進展と電気・電子の限界
●光電融合は電気から光への置き換え
●光電融合は日本の重点政策

AIの急速な進展と電気・電子の限界

近年、「光電融合(こうでんゆうごう)」という技術がニュースやビジネスシーンで急速に注目を集めています。
その背景には「AIの急速な普及」と「データ通信量の増加」があります。
生成AIの普及以降、世界中で処理されるデータ量は加速度的に増えています。例えばGoogleの発表によると、同社のAIモデルが処理するデータ量(トークン量)は、直近の2年間で330倍に膨れ上がっています。今後、AIの用途がさまざまな領域に広がれば、データ量はさらに増えていくと予測されています。

ここで問題になるのが、電気・電子の限界です。サーバーなどの電子機器では、チップの内部やチップ同士を結ぶ配線を、電気信号が高速に移動しています。こうした配線には、主に微細な銅線が使われています。しかしデータ量の増加と高速化によって、熱と速度の面で限界が見え始めています。

◇発熱問題(電力問題):電気は、流れると抵抗によって熱が発生します。チップや配線の発熱を抑えるには、冷却のための大きな電力が必要です。サーバー本体の消費電力だけでなく、エアコンなどの冷却設備にも多くの電力が使われています。

※出典:経済産業省 「次世代デジタルインフラの構築」に関する国内外の動向 2025年10月
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/034.html

◇速度問題:チップ自体の計算速度は向上しています。一方で、配線を移動する電気信号は、速度、距離、ノイズの面で限界を迎えつつあります。その結果、チップの処理能力に対して、データを送るスピードが追いつかないという問題が目立ってきました。つまり、配線がボトルネックになっているのです。
この2つの限界を突破するために、現在実用化が進んでいるのが光電融合という技術です。

光電融合は電気から光への置き換え

光電融合は、これまで電気で行っていた処理や通信の一部を光に置き換えて、電気と光をチップの中で融合させる技術です。
これまでも、長距離の通信には光ファイバー網のように光が使われてきました。一方で、コンピュータの内部やチップの心臓部では、今も主に電気が使われています。光電融合は、チップの周辺や内部でも光を使い、電気と光を組み合わせて処理や通信を行う技術です。
光には電気に比べて優れた性質が3つあります。

◇熱が出にくい:光は電気のような抵抗による発熱がほぼありません。そのため電力消費の大幅な削減につながり、電力効率を大幅に向上させることが可能になるとされています。

◇高速・大容量:光は、異なる波長を1本の通り道に同時に流せます。そのため、電気よりもはるかに多くのデータを一度に送ることができます。現在のAIでは、多数のGPUを電気の配線で接続し、巨大なシステムを構築しています。しかし電気の配線がボトルネックとなり、GPUの性能に通信速度が追いつきにくくなっています。光電融合によって配線を光に置き換えられれば、多数のチップが超高速で連携できます。その結果、AIの処理速度も大きく向上するとされています。

◇超低遅延: 光の速さでデータが伝わるため、信号の遅れが最小限に抑えられます。そのため自動運転、遠隔医療、金融取引といったわずかなタイムラグも許されない分野でのAIの進展が見込まれます。

また、光電融合と一緒に「オールフォトニクスネットワーク(APN)」という言葉もしばしば使われます。これは、ネットワークの全区間で光を使う構想です。途中で一度も電気に変換せず、最初から最後まで光のままデータを届けます。光電融合は、主にチップ内やサーバー内の光化を指します。一方、オールフォトニクスネットワークは通信網全体の光化を目指すものです。この2つが実現して初めて、入り口から出口まで光で処理される情報社会に近づくことになります。

光電融合は日本の重点政策

日本政府は、国家政策である「半導体・デジタル産業戦略」のなかで、光電融合を中核技術の1つに位置づけています。そして、光電融合技術を実装した半導体の設計、製造、開発を官民一体で推進しています。

※出典:経済産業省 「次世代デジタルインフラの構築」に関する国内外の動向 2025年10月
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/034.html

世界中の半導体メーカー、ファウンドリー、IT大手、部品メーカーが、光電融合の実現に向けて開発を競っています。そのなかで、日本企業は光電融合の関連分野で存在感を示しています。例えばNTTは、世界に先駆けてオール光ネットワーク構想「IOWN」を掲げました。現在は政府、研究機関、多くの企業と連携しながら、光電融合の実現に取り組んでいます。また、レーザー光源、光半導体、パッケージング、光配線ケーブルといった分野でも、日本企業は強みを持っています。

現在、実用化の主役とされているのが、光と電気の処理を1つのパッケージの中で行う部品です。これはCPO(Co-Packaged Optics)やPEC(Photonics-Electronics Convergence)と呼ばれます。2026年から2027年にかけて、半導体各社からサンプル出荷が予定されています。これが光電融合の実用化の幕開けになると見られています。今後も激しい開発競争が続いていきそうです。

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