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5分でわかるトレンドワード OT (Operational Technology)

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要約

●OT(Operational Technology)とは
●ITとの融合がOT注目の背景に
●OTセキュリティ対策の重要性
●OTセキュリティは国家レベルの課題に
●まとめ

OT(Operational Technology)とは

OT(Operational Technology)は、プラントや工場などの制御技術、運用技術を指します。制御を統括するPLC(制御装置)、データ監視や収集システム、各種センサー、HMIやモニタリングなど各種の設備や機器によって、システムを停止させず効率的に稼働できるよう物理的にプロセスや機器を直接監視・制御する技術です。
以前は制御技術(システム)、運用技術(システム)や生産システムといった呼び方が一般的でしたが、2010年代あたりからITとの融合が顕著になっていくにつれて、ITとの関わりで「OT」と呼ばれることが多くなっています。

ITとの融合がOT注目の背景に

OTが注目される最大の理由は、ITとの融合、すなわちIT/OTインテグレーションが進んでいるからです。
伝統的にOTはプラントや工場という、外部ネットワークから完全に切り離されたクローズドなネットワークで運用されていました。しかしIT化や近年AIの進展にともなってインダストリー4.0、スマートファクトリー、DX推進という社会要請が高まるなか、製造業において価値や競争力を高めていくためには、工場内のデータ(OTデータ)を経営層やITシステムで活用することが不可欠であり、ネットワーク接続が避けられません。
たとえばIoTの導入によって、センサーや制御装置から取得したビッグデータをインターネットでクラウドやITシステムに収集し連携します。ビッグデータをAIが分析し、設備の予知保全、歩留まりや効率向上のための生産条件の最適化、リアルタイムの在庫・需要調整などに活用します。このようにITとOTが高度に連携することが、DX化やスマートファクトリー化に欠かせなくなっています。こうした時代の流れのなかで、OTは従来の生産現場の制御技術から製造業の競争力を左右するさらに重要なボジションへと進化を遂げています。

OTセキュリティ対策の重要性

ITとOTの融合は多くのメリットをもたらします。しかし同時にOTシステムには新たにサイバー攻撃の脅威に晒されることになりました。OTは従来「閉じられた安全なネットワーク」でしたが、ITは逆にインターネットやクラウドに代表されるような「開かれたネットワーク」です。外部のオープンなネットワークと接続されることで、OTネットワークはもはや安全な領域とは言えなくなってきました。
近年、サイバー攻撃の標的として、製造業や工場が狙われています。特にランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による被害が深刻です。警察庁によると2024年には222件のランサムウェアの被害が発生しましたが、そのうち製造業が65件と約3割を占めています。被害は重要データの漏洩流出にとどまらず、生産停止やサプライチェーンの混乱といった事業継続への深刻なダメージにも及びます。

出典:警視庁「令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/index.html

記憶に新しいところでは、2025年9月、自動車メーカーであるジャガー・ランドローバーがサイバー攻撃を受け、1ヶ月以上にわたる生産停止を余儀なくされ、サプライチェーン全体にも連鎖的な影響を及ぼしました。一方国内の製造業でも多くの被害が発生しています。

OTセキュリティは国家レベルの課題に

こうしたリスクに対し、経済産業省をはじめとする政府機関も具体的な対策を推進しています。
「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」では、ITとOTを横断したセキュリティ対策の基本的な考え方と手順(経営目標の整理、保護対象の特定、物理面・技術面の対策など)を示しています。

出典:経済産業省  工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドラインVer1.1
https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/wg1/factorysystems_guideline.html

このほか、OTセキュリティ対策が遅れがちな中小規模の事業者向けに、ガイドラインの解説書となる「工場セキュリティの重要性と始め方」を発行するなどして段階的な導入を促しています。その一方で半導体産業向けには国際的なセキュリティ規格と整合させた「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン」の策定を進めるなど、業界の特性に応じた具体的な指針作りも行われています。

出典:経済産業省 半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン
https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/wg1/semiconductor_systems_guideline.html

まとめ

OTはモノづくりの根幹であり、今後もITとの連携・融合によって製造業の競争力と可能性を広げます。しかしその一方、サイバーリスクという大きな課題を抱えています。持続的な成長を確かなものにするためには、適切なセキュリティ対策と備えが不可欠です。

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