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5分でわかるトレンドワード マルチモーダルAI

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要約

●生成AIの普及とマルチモーダルAIの登場
●マルチモーダルAIの進展がもたらすもの
●マルチモーダルAIの身近な例
●まとめ

生成AIの普及とマルチモーダルAIの登場

生成AIの進化と普及が目を見張るスピードで進んでいます。いまや文章、画像、音声、動画といった多様なコンテンツを自動で生成できるようになり、毎日のように新たなAIテクノロジーやAIサービスが登場しています。これにより、仕事、教育、エンターテインメントなどあらゆる分野でAIの活用範囲が広がっています。

しかし、初期の生成AIは確かに便利ではあったものの、特定の種類の情報を対象にしているという課題がありました。例えばテキストを理解するAI、画像を処理するAIといったように、情報の種類ごとに分かれていました。こうした中で登場してきた新しい世代の生成AIが「マルチモーダルAI」と呼ばれるものです。

モーダル(modal)とは、「形式の」「様態の」といった意味する単語です。マルチモーダルAIとは、複数の情報形式、つまりテキスト、画像、音声、動画、センサー情報など、異なる種類の情報を統合的に理解・処理できるAIのことを指します。
初期の生成AIは、テキストを要約したり翻訳したりするもの、音声から文字起こしするもの、画像から顔や車など特定の対象を認識するものなど、単一の機能を持つものばかりでした。これをシングルモーダルAIと呼びます。

一方、マルチモーダルAIは、画像・音声・テキストなど単一種類の情報から学習するのではなく、複数の種類の情報を一緒に学習して、より高度な情報処理を行います。これにより、たとえば、自然な言語(プロンプトなど)によって、画像や音、映像を柔軟に出力させたり、画像を見てその内容を説明するキャプションを生成させたりすることも可能になります。

このように、マルチモーダルAIは複数の感覚を使って世界をより複合的に、深く理解する能力を持つAIであり、人間により近い、より自然で高度な情報処理が可能になります。

マルチモーダルAIの進展がもたらすもの

●人間とAIがより近くなる
人間の認識は視覚、聴覚、言語などを組み合わせて世界を総合的に理解します。マルチモーダルAIは、これに近い情報処理を実現するため、人とAIのより自然な対話や判断が可能になります。

●応用範囲がより広くなる
テキスト、画像、音声、動画、センサーデータ、数値データなどを同時に扱えるため、マーケティング、医療、教育、製造、エンタメなど多様な分野での応用が期待されています。

●生成能力が向上する
複数の情報を組み合わせることで、より利用者の意図に合ったコンテンツ生成が可能になります。たとえば、テキストだけでなく画像も合わせてその内容に合ったストーリーを生成するなど、創造分野での応用がより向上していくことが期待され

マルチモーダルAIの身近な例

マルチモーダルAIの進化は、私たちのあらゆる生活シーンに大きな変化をもたらしつつあります。

例えば自動運転では、人間が運転するように、人やモノの位置、交通標識、気温やエンジン音などから状況把握して予測し、あらゆる判断や処理を同時におこなうようになります。ここにさらに車載センサーの情報、渋滞や道路状況などのインフラ情報、天候などの情報を同時に認識、判断して、より高度で安全な自動運転を行うようになるでしょう。

またビジネスの現場では、売上データだけでなく、さまざまな天候や地政関係の要素に基づく需要予測に加え、ヘルプデスクに寄せられた音声やテキストといった数値以外の多様な情報も組み入れて、より精度の高いビジネス支援を行えるようになりつつあります。

もっと身近な仕事の場面では、膨大な資料類を読み込むことが必要になるシーンがありますが、テキストだけではなく、図や表などもAIが理解することで、利用者がドキュメントをより理解することができるようになります。

またスマホなどに搭載されたパーソナルアシスタントAIが、音声だけでなく、ユーザーの行動履歴、カメラ映像や周囲の音、ユーザーの表情などを理解して、より的確なサポートを提供するようになるでしょう。

まとめ

マルチモーダルAIは、テキスト、画像、音声など複数の情報を統合的に理解・生成できる次世代のAI技術です。従来のAIに比べて人間に近い情報処理が可能であり、幅広い分野での応用が進んでいます。
今後、私たちの生活の中にも自然に溶け込み、より便利で豊かな体験を提供してくれる存在になるでしょう。

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