TopNEWS & MEDIA5分でわかるトレンドワード 「イマーシブ」

5分でわかるトレンドワード 「イマーシブ」

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要約

●イマーシブとは?
●イマーシブ普及の背景
●用途と活用例

イマーシブとは?

最近いろんなシーンで「イマーシブ」という言葉を耳にするようになっています。イマーシブ(Immersive)は「没入感がある」という意味です。AI、XR、ウエアラブル端末などの技術革新を背景に、利用者は視覚、聴覚、触覚といった複数の感覚を通じて、より現実に近い没入感のある仮想体験を得ることができるようになっています。イマーシブはコミュニケーション、エンターテイメント、教育、マーケティングなどさまざまな分野で活用され始めています。

イマーシブ普及の背景

没入感が高まることで以下のような価値が生まれてきました。
●仮想空間が現実にきわめて近くなり、よりリアルな体験ができる (オンライン会議、仮想空間など)
●実際に体験できないことを、リアルに体験ができる (ゲーム、エンタメ、訓練、作業)
●消費者トレンドが、豊かな体験に価値を認める方向にシフトしている

イマーシブを支える主な技術には以下のものがあります。
●AIの進化
特に生成系AIの進展によって、NPC(ノン・プレーヤー・キャラクター)がまるで本当の人間と同じように振る舞い、利用者とのコミュニケーションが可能になっています。AIはまた、利用者の反応、行動や嗜好を分析して、利用者が好きそうなコンテンツを推奨することもできます。こうしたことで利用者の仮想空間の体験の質を向上させることが可能になっています。

●超解像
映像を超解像化する技術によって、奥行きと空気感まで世界を表現できるようになっています。またAI技術によって360度空間や空間の3D環境を自動生成するなど、世界がそこにあるように表現することで利用者の空間への没入度を高めています。

●デバイス/端末
VR、AR、MRに対応したウエアラブル端末やスマホ、あるいはセンサーの登場も、イマーシブの普及に役立っています。例えばMeta Quest 3やApple Vision Proといった最新端末は、仮想世界をリアルに表現するだけではなく、現実世界と仮想世界がシームレスにつながった世界でモノを触ったりしながら空間に没入できるようになっています。

この他にもメタバース技術、オーディオ技術など、多様な技術がイマーシブの進展を支えています。

用途と活用例

イマーシブはさまざまな分野で使われます。主な用途をご紹介します。

●メタバース
イマーシブ技術によって、アバターやメタバース空間はよりリアルなものとなり、体験は臨場感の高いものになっています。会話、視聴、購入といった行動もより現実に近い形で行うことができるようになり、メタバースの没入度が高まることによって現実世界での行動促進にもつながりやすくなるというメリットもあります。
こうしたことをうけて架空のメタバースや、街をまるごと再現したメタバースなどを使ったさまざまなイベントが開催されています。

●オンライン会議
一般的なものになりましたが、カメラを通じてだけでなく、自分の画像やアバターを通じて全員が同じ場所にいるような感覚でミーティングに参加できるイマーシブなオンライン会議も可能になっています。

●ゲーム/エンターテインメント
ゲームは映像や風景の高解像度化、高精細な3Dの広大なオープン空間、ゲームコントローラの進化などの進化により没入度をより高めています。音楽や演劇といったライブイベントもメタバース内で行われており、現実では不可能な舞台設備や演出によってイベントへの没入度を高めています。リアルなイベントでもスマホのARやMRの機能を使うことによって、リアルとバーチャルが融合した新しい演出が可能になっています。 アプリの分野でもイマーシブを取り入れるものが増えており、Googleマップの新しい機能である「イマーシブビュー」は出発地点からゴール地点までのルートを視覚的に表現するもので、直感的により深く地図とつながることを目的にしています。

●教育/訓練
製造業、医療、実験などの教育や訓練は、宇宙環境や医療現場など環境が再現しにくい場合もあるため、仮想空間で行われることも多くなっています。イマーシブが進むことで、より現実に近い体験をして教育や訓練の効果を高めることができます。

●マーケティング
空間への没入度が高くなると利用者は現実に近い行動や反応を示します。現実では収集することがなかなか難しいデータ、例えば視線の動き、感情のゆらぎなどのデータもメタバースでは収集可能になります。こうしたデータを分析することで、利用者の嗜好により合った商品やコンテンツ提供することも可能になります。イマーシブによって利用者は仮想空間での生活の質が向上し、サービス提供者は詳細なマーケティングデータを収集できるため、イマーシブが進展することでデジタルマーケティングはさらに進化していくものと予想されています。

●リアルイベント
ここまでご紹介したのは主にデジタル空間の話でしたが、リアルの世界でも没入体験をテーマとしたエンターテインメントが増えています。例えば小説や映画の世界観を再現したアトラクション施設も人気ですし、チームラボが展開するインタラクティブなデジタルミュージュアムも高い人気を得ています。最新の例としては、2024年3月に東京・お台場にオープンした「イマーシブ・フォート東京」は完全没入型体験できるテーマパークとして話題になっています。

イマーシブはさまざまな技術により、リアル・バーチャルに両面で、利用者をより深く没入的な体験を提供します。それにより体験の質を向上し、積極的な行動を促進することで、マーケティング的に有用なデータを収集し、それをサービスの質向上や収益拡大につなげていこうとするものです。イマーシブは今後もさまざまな分野で活用されていくことでしょう。

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