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中国でもリード収集(ジェネレーション)に余念のない、日本企業の落とし穴

今回は、クライアント様からの問い合わせが増えている「中国の展示会でリードを集めて、マーケティング・オートメーション(以下、MA)を使い、新規開拓をしたい」というニーズに対して、弊社がご提案している「中国で質の高いリードを集める手段」についてのお話しです。

冒頭に申し上げましたとおり、中国の展示会に出展を希望される日本企業様からのお問い合わせ、ご相談が弊社だけでも毎年30%以上の割合で増えています。中国ではここ最近、展示会会場の整備、拡張に伴い、ターゲットが広範囲に広がってきています。弊社にお問い合わせを多くいただく展示会内容は、自動車関連であれば特にEV/HEV関係のリクエストが多く、その他にも産業機器、IoT、医療機器、ウェアラブルに関するものが増えています。

今年の3月にJETROが発表した「2016年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」の結果を見ても、「海外で拡大を図る国・地域」の1位は年々その割合は低くなってきているとはいえ、相変わらず中国です。こういった傾向からも、特にBtoB企業であれば「中国で、関係する業界向け展示会に出展して認知度やイメージの向上、ビジネスパートナー発掘を図る」という活動は、国内同様マーケティング施策としては外せないものとなっています。

さて、ここで今回の本題です。「新規開拓を期待して、展示会でリード収集(リードジェネレーション)をする場合の落とし穴と、同じコストかけるなら、もっと「質」の高いリードが収集できる中国ならでは施策のご紹介です。

結論から申しあげて、上記のような目的、目標をお持ちのクライアント様に、弊社からは「専門技術セミナーへの協賛(スポンサード)」をご提案しています。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、これらセミナーは主に業界(企業、学術)団体や媒体社が主催しているケースが多く、業界、開催エリアも多岐にわたることから、多くのセミナーが中国のさまざまな主要都市で、ほぼ毎週のように開催されているのが現状です。ですから、日本国内よりもかなり多くのセミナーが開催されているのです。

スポンサードを希望されるお客様は、まずターゲットなる製品と自社の営業エリアがカバーする都市で開催される専門セミナーの検索、抽出を弊社のような代理店に依頼します。一般向けには情報公開を積極的に行わない「クローズセミナー情報」が中国には多く存在しているためです。後は、ご予算と競合の動き、協賛特典の内容を検討して、最終決定するという流れです。

ココでポイントとなるのが、「協賛特典」の中身なのですが、講演1コマや展示ブースの設置など多種多様の特典の中で、上海中外が絶対的にお勧めなのが「参加者リストの提供」です。なぜならこのリストこそ「質の高いリード」そのものだからです。ではなぜ「質が高い」か? その理由は、セミナーの集客方法にあります。

先ほど申し上げましたとおり、信頼がおける主催者のセミナー集客は、セミナー開催情報を主催社や団体が持っている「関係者リスト」、媒体社であればメルマガ会員登録時に記載した「従事している業界、製品」の人たちだけを対象とし、一般公開公募しない状態で行われるケースがほとんどです。またそういったセミナーは、万が一関係外の人が申し込もうとしても、受付をお断りするなど、徹底した受付管理を行っているのです。ですから、1セミナーあたりの参加者はかなり絞られていて、だいたい200〜300名程度となっているのが現状です。

しかし、この200人、300人は、この業界、この製品に従事しているエンジニアであることは間違いないばかりか、部品メーカーを決定するキーマンが多く含まれているため、とても「質の高く、濃い」リードとなるわけです。私はクライアント様に「リードファネルの上部が展示会で集めたリードなら、セミナーで集めたリードはいきなり真ん中より下クラスです」と申し上げています。実際ナーチャリング&営業アプローチにおいて、短期間で案件化〜受注となるのは、圧倒的にこのセミナーから収集したリードだからです。

では逆になぜ、展示会のリードは質が良くないのか?ひとつの要因として、中国特有の展示会サービスにあると考えています。中国の展示会に来場された方は、以下の画像のような光景を目にされたことがあると思います。日本の展示会ではほぼ見ないと言って良い光景です。

これは、「あなたの会社があるエリアの担当者はこの人なので、名刺をご自由にお取りください。そして帰社したらこの担当者まで連絡してください」というサービス(?)です。

例えば自分の会社が四川にあるのなら、『四川』と書かれたケースの名刺を引っこ抜いて、あとから連絡するのが本来のスタイルです。ところが、現地の展示会場に多く存在する“ノベルティおじさん“は、顧客のふりをしてこの名刺を数枚失敬し、あたかも自分の名刺かのように振る舞って、2つ先のブースに向かいこの名刺と交換に資料やノベルティをゲットします。資料は紙の買い取り業者に転売し、ノベルティはオークションで販売したりします。

この行為に興味を持った私は、ある展示会で約1時間ウオッチしてみましたが、想像以上に「この輩たち」が多いことにビックリしました。

「とにかく、展示会では名刺を集めて、ナーチャリング後に選別すればいい・・・」的な説明をしているMAベンダーの講演を先日聴きました。日本のように展示会自体の質がある程度保たれているのであればそれでも良いかもしれません。しかし中国の場合は、今までお話しさせていただいたようなことがあることもあるのだというご理解と、合わせて「専門セミナーへの協賛」という選択肢もご検討ください。

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