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【海外展示会】北京モーターショー2012(Auto China 2012)レポート

2012年4月23日(月)~5月2日(水)中国、北京において東アジア最大級、世界でも有数の展示会である北京モーターショー(Auto China 2012)が開幕いたしました。
同じアジアでは1月にはインドモーターショーが開催されたばかりですが、中国とインドとの比較とB to B企業の出展としてのモーターショーという視点でレポートいたします。

今年の北京モーターショーは、すでに報道されている通り2000社以上が出展し、展示総面積は東京モーターショーのおよそ6.5倍という桁違いのスケールになりました。
出展企業数で見るとインドモーターショーが1500社ですので、インドを上回る出展社数でした。

来場者については、平均年齢はやはりインドより圧倒的に高いのと同時に、既に購買する余裕のある来場者が多いように見受けられました。
インドの来場者の「ギラギラ感」に対し、北京では来場者の「冷静沈着感」が印象に残りました。

主役の自動車は前回レポートしたインドでは、小型車中心でエコカーは脇役程度の出展でしたが、北京ではしっかりと「EV」「HV」「クリーンディーゼル」などが各社の柱の展示の一つとなっており、中国全体として「環境」を意識してきていることが理解できる内容となっていました。

HONDAブースのEV マスコミが熱心に取材/吉利ブース

驚くべきは中国国内の自動車メーカーの会場内での台頭。第一汽車や東風、上海汽車はもちろん、民族系の奇瑞(Chery)、吉利(Geely)などはデザインも洗練されてきておりブース自体も勢いのある内容でした。
中国国内メーカーは、政府による保護政策がなくなり厳しい環境におかれているとはいえ、まだ未開の内陸部の需要を考えるとその力の発揮どころが十分にあるように感じました。

さて、インドと比べモーターショーの主催者の比較としては、北京の主催者も売り手市場を背景に全く出展社に対し配慮の無い二流の動きそのままで、さして差がありません。少し良くなった点と言えば、出展社の入門時間が記載されている時間より早くなったことぐらいでまだまだ先進国の主催者と比べるには程遠い状況です。

これは部品メーカーに限ったことなのかもしれませんが、小間位置の決定も遅く、突然小間番号は変更、レギュレーションも届かず、高さ制限の変更が突然やってくる。2年前の展示会よりも更にスケジュールが遅れたため、ブースプランも検討の余地が無いほど焦って作らざるを得ない状況でした。
とどめは大型テントブースの「雨漏り」。2年前も今年もブースのあちらこちらで雨漏りが発生し展示エリアやデモ機周辺に水溜りが出来る始末で、前回の反省が全く活かされていない状況に各出展社もうんざりした様子でした。

会場周辺の渋滞も相変わらず酷く、警察との連携が取れていないためか会場周辺の道路は完全に麻痺状態となり、プレスデー初日に開場前にブースに到着できない社員、スタッフが続出。広大な会場周辺の道路を、車から下車して走ってくる関係者が続出しました。

翌日からは、開場2時間前に集合時間を設定する企業が増えていたようです。市内からの移動には整備された鉄道を上手く利用したほうが賢明かもしれません。

自動車メーカー以外のB to B企業の出展にはインドと違い2つの方法があります。
一つは中国国際展覧中心(天竺)新館で自動車メーカーと同じ会場で出展する方法。
もう一つは中国国際展覧中心(静安庄)で、部品メーカーだけの展示会に出展する方法です。

ただ、新館への部品メーカーの出展には、高いハードルがあり自動車メーカーと方を並べてブース出展しているのはBOSCHの1社だけです。

それ以外の部品メーカーはメインホール8つの外側でテントホールに入るか、屋外に自社ブースを建てるかしかありませんが、既に北京の会場も満杯の状況で新規に出展するのは難しい状況です。しかし、この展示会場へ出展するメリットは大きく、自動車メーカーの上層部や購買担当のキーマンとのアポイントを事前設定すれば現地で実際に製品を見ていただき、更に商談室でプレゼンテーションを行うことができるので商売に直結した動きが可能になります。その意味ではTire1、Tire2メーカーにとって適した会場となります。

テントホールに出展する日系部品メーカー

テントホールに出展する日系部品メーカー

テントホールに出展する日系部品メーカー

部品専門展示場への出展は、主にアフターパーツメーカーや、単品部品のメーカーの地元企業、海外企業にとっては有益です。自動車メーカーに直接納入しない企業にとっては、セットメーカーに売り込みすることがメインとなりますので、自動車と同じ場所に出展するメリットよりも、Tire2メーカーや一部セットメーカーが出展する部品専門会場で直接売り込みできます。日本からの出展企業はごく少数ですが、それでも会場内では特に海外の企業ブース周辺では地元企業や台湾、韓国などの部品メーカー担当者と熱心に商談している様子が多く見られます。こちらは、周辺渋滞もなく、来場者も少ない代わりに非常に効率的に回れ見やすい状況です。

部品メーカー専用展示会場(北京市内)/1000社以上の出展社

日系部品メーカーのブース/来場者は少ないが見やすくB to B向け

最後に、今回も日本企業の盛衰という面で非常に寂しさを感じました。
中国全体の自動車販売は世界1の状況は変わりませんが、これまでの右肩上がりの状況から一転し、その伸びは低くなりました。
沿岸部偏重から内陸部への販売強化と低価格車、環境対応車の開発が重要な時代が到来しました。中国人消費者の目も非常に肥え、見た目のデザインと金額以外の「燃費」が購買の大きなポイントとなりつつあるようです。これは中国国内においても燃料費が高騰し、燃費にも非常に意識した自動車購入が増えている状況です。これらの変化を見ると日本の消費者の状況とほとんど変わらないように思えます。ただ一つ違うのは、インドや日本では「軽自動車・小型車」が売れるのに対して、中国では圧倒的に中型車(セダン・SUV)に人気があることです。
この状況であれば日本の部品メーカーや自動車メーカーには今後充分に活かせる強みがあると感じるのですが、なぜか会場で「強い日本」を感じる部分が非常に少なく、寂しい気分でした。
日系自動車メーカーについても中国メーカー及び日本以外のメーカーが良い場所に集中し、少し外れた場所に出展していたようにも思えましたが、全体的に日系企業がPRとしての積極性を失い、スマートにまとめている感じが寂しさにつながっていたような気がいたします。

台湾エリア/韓国エリア

これでは現地メーカーや韓国企業に中国国内で勝つことは難しいのではないでしょうか? インド同様、政府や経済界も企業任せではなく、国として中国や主催者に対応し、出展企業がより積極的になれるベースを整える必要があると感じました。

弊社はこれからも日本国内企業様の海外での出展について的確な情報と安全な運営でサポートして参ります。中国国内での市場調査、意識調査も展示会とあわせて実施ご提案が可能です。
単に出展を成功させる以外に数字的裏づけのある出展を目指すパートナーとして積極的にご提案できる体制を整えておりますので、どうかご期待ください。

レポート:鎌田暁雄

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